動画が“音声だけ再生”されて真っ黒な画面に…?その原因と症状とは
Macで動画配信サイトを見ようとしたとき、「音は聞こえるのに、画面が真っ黒…」という現象に遭遇したことはありませんか?本記事では、動画配信サイトでこのような不具合が起こる原因と、その解決方法を詳しくご紹介します。
実際に筆者が経験した事例では、Safari・Chrome・Firefoxといった複数のブラウザで、動画本編が再生されず、音声のみが流れる状態が発生しました。広告動画は問題なく表示されるのに、本編だけが映らないという非常に限定的な症状です。
このような現象は、Macの最新OS「macOS 15.1.1(Sequoia)」にアップデートした直後から発生。動画の再生が正常に行われるYouTubeやTVerとは対照的に、DRM(デジタル著作権管理)によって保護されたコンテンツだけが対象となっていました。
原因はmacOSのバージョン?DRMにまつわる互換性問題が濃厚
YouTubeやTVerが正常に再生できる一方で、動画配信サイトのDRM保護された動画だけが真っ黒になる――この違いのポイントは「DRM(デジタル著作権管理)」にあります。
DRMとは、コンテンツの不正コピーや再配布を防ぐための技術で、ストリーミング配信サービスでは広く利用されています。こうした保護機能を再生するには、ブラウザやOSが対応している必要があります。
特にmacOSの大型アップデート直後は、DRMとの互換性に問題が生じるケースが多いのが実情です。macOS 15.1.1(Sequoia)はまだ新しく、一部のサービス側で対応が追いついていない可能性があります。
また、ChromeやFirefoxでは「Widevine」と呼ばれるDRMモジュールが使われていますが、これが無効化されている・動作不良を起こしている可能性も考えられます。
ブラウザ別にチェック!いますぐ試せる5つの改善策
1. Widevineの有効性を確認(Chrome/Firefox)
- Chromeでは、アドレスバーに
chrome://components/
を入力し、「Widevine Content Decryption Module」で「アップデートを確認」を実行します。 - Firefoxでは、「設定」→「一般」→「DRMコンテンツの再生を許可する」にチェックが入っているか確認しましょう。
2. Safariの「開発」メニューからExperimental Featuresを確認
Safariでは、開発者向けの試験機能が動画再生に影響を与えることがあります。「Encrypted Media Extensions」や「Media Source Extensions」が有効になっているかを確認してください。
「Safari」→「設定」→「詳細」→「メニューバーに“開発”メニューを表示」にチェックを入れることで開発メニューが使えるようになります。
3. 外部ディスプレイを外して本体ディスプレイで試す
HDCP(著作権保護技術)に対応していない外部ディスプレイや変換アダプターを使用している場合、映像が再生されず黒画面になることがあります。まずはMac本体のディスプレイだけで再生できるか試してみましょう。
4. ブラウザの画面収録・オーディオ権限を確認
macOSでは、各アプリに対して「画面収録」「オーディオ」などの権限が必要です。
「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「画面収録」や「マイク」で、ブラウザに適切な許可があるか確認してください。
5. その他の基本的な対処法(効果がなかったとしても)
- シークレットモードでの再生
- 拡張機能の無効化
- キャッシュとCookieの削除
などを試しても解決しなかった場合、macOSそのものの互換性が影響している可能性が高いです。
それでも改善しないときの“奥の手”対処法
上記をすべて試しても再生できない場合は、次の方法も検討してみてください。
-
別のMacユーザーアカウントで再生
ユーザー設定が破損しているケースもあるため、新規アカウントを作って試すのが有効です。 -
セーフモードで起動して確認
セーフモードでは常駐アプリが無効化され、干渉の切り分けがしやすくなります。 -
iPhoneやiPadなど他のAppleデバイスで再生
一時的に視聴環境を変えるのも1つの方法です。モバイルアプリ版の方が安定することもあります。
まとめ:macOS Sequoia環境ではDRM再生が不安定な可能性も
今回のような「音声だけ再生され、映像が真っ黒になる」症状は、特にmacOSをアップデートした直後に発生しやすい不具合です。
再生不具合の原因が「動画配信サイト」ではなく「OS・ブラウザとDRMの相性」にある場合、個人でできる対処には限界もありますが、まずはこの記事で紹介した基本的な対策を1つずつ試すのが有効です。
動画配信サイトをよく利用する方にとっては、macOSのアップデートタイミングを慎重に見極めることも、快適な視聴環境の維持に重要です。
Macでの視聴トラブルに悩まされないためにも、情報をキャッチアップしながら、自分に合った再生環境を整えていきましょう。